2026年8月8日土曜日

【報告】令和8年度 夏季研修

 令和8年度の兵私理の夏季研修は福井・若狭地方をメインに7月29日、30日の1泊2日で行われました。

参加者は15名、三ノ宮駅に8:30に集合し、車4台に分乗して向かいます。

【1日目】

・年鎬博物館

三方五湖の1つ、水月湖の湖底に積もった落ち葉などが特殊な環境下で生物にかき乱されず7万年もの間、綺麗な年鎬を作り続けています。その年鎬が世界基準となったことを記念して作られた博物館です。

45mの年鎬がきれいに展示された展示室もすごかったですが、解説員さん(元高校教師)の解説がとても丁寧で分かりやすく、大変奥が深いものでした。研修参加者との質疑応答も大盛り上がりでたくさん勉強させてもらいました。



・福井県立大学 かつみキャンパス
 福井県立大学は公立大学としてはトップクラスの6キャンパスを構える大学です。今回はその中で、海洋生物資源学部・生物資源学研究室が研究しているかつみキャンパスを訪問しました。大学職員・現役大学院生の紹介で、キャンパス内をくまなく見学させていただくことができました。
綺麗でコンパクトなキャンパスで、学生たちがのびのびと研究に没頭している様子を垣間見ることができました。増養殖に特化しているという説明通り、種苗生産・生育試験などはかなりやりやすそうな施設でした。




・水産学術産業拠点 かつみ水産ベース
 かつみキャンパスの近くに産官学共同で研究が行われている、産業拠点があります。そちらも見学させてもらいました。特にウニの養殖について様々な興味深いお話を聞くことができました。



・養殖カキいかだ見学
 近隣のカキ養殖業者さんにお願いして、カキの養殖筏を見学させてもらいました。小浜湾では、流入河川と湧水が沸き上がっているため、様々なカキ養殖についての取り組みがされているそうです。現在では吊り下げ式とカゴ式、そして3倍体のカキ養殖なども行われ、ブランディングにも力を入れられていました。

・夕食
 夕食は宿のオーナー(今回の参加者の教え子の大学院生)が地元の食材を使ったBBQをふるまってくれました。見学したカキ筏の業者さんのカキは生でも焼きでも絶品でした。

・天体観測
終日薄曇りで、野外活動には向いている天候でしたが、夜の天体観測には厳しい状況でしたが、22時を過ぎたあたりから雲の切れ間を狙って観測を少し行うことができました。Seestarを持参してくださった先生が2名おり、その実力に参加者皆驚嘆していました。生産中止となっているのが大変残念です。








【2日目】
・定置網漁見学
 夜遅くまで、天体観測や様々な情報交換を行っていましたが、せっかく水産業が盛んな場所に来たので…ということで朝5時に集合して定置網漁から帰ってきた漁船をお出迎え、陸揚げを見学させてもらいました。
この日はサバが大漁です。加えてサワラ・ヘダイ・トビウオなどが混じっていました。夏なので魚種も量も少ない、と地元の方はおっしゃっていましたが、なかなかの迫力でした。
また、漁船には見学の家族連れも乗船しており、魚を獲るだけではない、様々な取り組みが見られました。また、漁師の高齢化の話もよく聞きますが、昨日のカキ養殖も含めて、小浜では若手が頑張っているのが印象的でした。



・市場見学
 漁を見学した後は、朝市へ向かいセリの見学です。マグロやカジキ、タイやタコ、サザエやウニなど様々な海の幸がどんどん競り落とされていくのは見ているだけで楽しかったです。



・菫青石入りホルンフェルスの採集
 マグマが近くに入り込んで熱エネルギーを受け、元の岩石が硬く変化した「接触変成岩」これをホルンフェルスと言います。この産地が近くにあるということで参加者全員で少しだけハイキングを行います。滝のような汗が出てきましたが、全員ホルンフェルスを見つけることができました。


・福井県海浜自然センター
 続いては福井県海浜自然センター。小さな水族館+体験施設のような施設ですが、三方五湖の生物の展示が充実しており、遊歩道を歩くと中生代などの古い海底堆積物が混ざったメランジュをたくさん見ることができました。また、施設職員の方と話が盛り上がり、展示されていないバックヤードを見学させてもらえたり、三方五湖に生息しているヨシノボリについての最新の研究報告などを教えていただくことができました。






 ・オリビンサンド採集
 最後に、オリビンサンド採集を行いました。持参したパンニング皿を用い、比重の重い橄欖石を集めていきます。この海岸は、すぐ近くの石英が多い白い砂浜と異なり、砂浜のすぐそばの崖が橄欖石を多く含んだ緑色をしています。そのため、砂浜も緑がかっている部分があり、その砂をパンニングしていくことで純度の高い橄欖石をより分けることができました。こちらも参加者全員、ペットボトルやバケツに入れて持ち帰ることができました。



今回の研修は1泊2日ながら内容が濃いものとなり、お土産も各自得ることができました。来年度以降の研修も、様々な分野の先生にご満足いただけるよう企画していきます。多くの先生方の参加をお待ちしております。