2021年11月7日日曜日

2021年度 秋期研修会【報告】

今回の兵私理秋季研修は、甲南高等学校で行われました。

テーマは以下の2本立てです。

1。PCR法を利用したDNAによるサバの品種判別

2。走査型電子顕微鏡による観察


サバの品種判別では、講師の甲南高等学校 川崎先生が用意してくださった、3種類のサバ(マサバ、ごマサバ、タイセイヨウサバ)の切り身を、PCR検査にかけて判別しよう、というテーマで行いました。


まずは、マイクロピペットの使用方法を練習し、正確にμL単位の計量をできるようにします。


サバの切り身は、本当に微量で十分なようです。

マイクロチューブに入れて、各班に3種類ずつ配られました。


まずは、NaOH→HCl処理、遠心分離をしてDNAの抽出を行います。



以前の遠心分離機は、少しでもセットする試験管(チューブ)のバランスがくるってしまうと、ローターが破損したり、大惨事になったのですが、最近の遠心分離機は耐久性が上がっているようです。

今回、PCRのバッファーに加える酵素は KOD  FX  鹿児島県小宝島の高熱細菌から抽出したものだそうです。安定してPCRが行えるのですが、値段はお高めだそうです。

今回使用するプライマーは20塩基程度のものを使用しました。PCRは一般に10000塩基対くらいまでは可能だそうですが、今回は500塩基の配列で実施しています。

PCRを行うサーマルサイクラー。特許が切れて最近は値段が下がってきているそうです。

今回抽出したDNAはHaeⅢとHinf1という制限酵素で切断しています。

アガロースゲルなどの硬さを選べば、1塩基単位の分析もできるそうです。



今回使用したアガロースゲル。
ウェルにきちんと入れられるでしょうか。



ウェルに入れる前に、染料とグリセリンなどを加えて混合します。


ピペットが突き抜けると試料が拡散してしまいますので、丁寧に。









緩衝液に入れて、電気泳動をかけます。



緩衝液に入れて、電気泳動をかけます。








紫外線を当てると、染料が蛍光を発します。
HaeⅢのほうは特にはっきりと分離することができました。


電子顕微鏡の使用も見学できました。
講師は甲南高校の平田先生です。

白金の真空蒸着で観察物をコーティングします。


観察物を真空にした状態にし、モニタで確認します。










今回はコオロギの体表面や砂金、放散虫などを観察させてもらいました。


お土産は華房先生より
アインシュタイン相対性理論のコピー本
とアインシュタインMilkyです。
アインシュタインの相対性理論は、大変貴重な原本を華房先生が所持しており、それを丁寧にコピーしてくださいました。

もう一つのお土産は山内守明校長先生から、福島県沖で採取されたボーリングサンプルから、珪藻土粉末です。丁寧に洗浄すれば、珪藻
の殻が観察出来るそうです。